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30行BIOS ~「30行計画」を統合・拡張する~
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--- Copyright(C) lucifer 1993 ---
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Document for Version 1.11
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written by walker
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「30行計画」……PC-9801ノーマルモードのテキスト表示を標準の
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25行から30行まで拡張する
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30行BIOSは、「30行計画」で使われる複数のプログラム類を統合、
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仕様を拡張させた常駐型プログラム(TSR)です。この30行BIOSを使
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えば、複雑な設定を考えることなく簡単にテキスト行数を拡張でき
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ます。
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本プログラムの持つ特徴を以下にまとめておきます。
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・30行だけでなく、自由な行数で表示可能
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(ディスプレイの性能の限界まで拡張できます)
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・行間の空いた表示(行間空きモード)をサポート
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(行間空きモードでも自由な n行表示が可能です)
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・アプリケーションが、30行BIOSを制御できるAPI(拡張CRT-BIOS)
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を装備
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今回のバージョンアップで新しく加わった機能を述べておきます。
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・行間空きモード時の、行間ドット数を任意に変更可能
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(この機能に合わせてAPI部分も拡張)
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・CRTモジュール作成ツール「MKMODULE.COM」の機能強化
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・30BIOS.INIで、オプションやGDCパラメータ等の指定が可能
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1. 経緯
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「30行計画」は、「あそこ方面」というBBSで開発され、主にパソ
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コン通信上で配布されてきました。たった5行といっても、エディ
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タやワープロなどでは、かなり違って見えてきます。
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30行BIOSは、本家「30行計画」の仕様を履修し、さらに拡張したも
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のです。バージョンアップを重ね、より使いやすく、より高機能に、
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より安定したものになっています。
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2. 注意・制限事項
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・PC-9800シリーズ、ノーマルモード専用です。
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・本プログラムは、メモリ常駐型プログラム(TSR)です。
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・ディスプレイによっては、30行表示はできません。
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・液晶ディスプレイでは使用できません(98NOTEでは実現不可。た
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だしCRTパックなどで外部ディスプレイにつなげば使用可能)。
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・NEC/EPSONのVer3.3以降のDOSで動作します。
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・オプションを間違えるとディスプレイにダメージを与えることが
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あります。注意してください(無理な値をオプションで与えなけ
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れば、まずこのようなことはありません)。
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・本プログラムはフリーソフトウェアです。著作権等の細かいこと
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は、別項を参照してください。
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・サポート、及びバージョンアップの義務は作者にはないものとし
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ます。
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・いかなる不具合があっても作者は責任を取りません(本来の98、
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ディスプレイの機能を超えたものをやろうとしているわけです。
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当然、作者の予期せぬことがおきるかもしれません。各自の責任
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で行ってください)。
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3. 使ってみる
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まず、本ドキュメントを読むにあたって、用語の使い分けをしてお
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きます。
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・標準モード(通常の98の状態です。30行BIOSは特に処理をしません)
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・拡張モード(30行BIOSにより、実現されるn行モードです)
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・行間空きモード(通常の98での20行表示を指します)
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30行BIOSの詳しい操作方法は、「4. 機能」で述べます。ここでは、
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ごく基本的な操作方法にとどめておきます。
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3.1. 30行BIOSの組み込み
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コマンドラインから次のように入力してください。
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A:\>30BIOS -v <Ret>
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これで30BIOS.COMがメモリに常駐し、画面は30行表示になります。
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UMBにロードする場合、UMBローダやLOADHIGHは必要ありません。自
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動的にUMBに常駐します。
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* もし、画面が乱れたり、画面の端が切れているようでしたら、デ
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ィスプレイの垂直同期のツマミでうまく映るように調整してくだ
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さい。
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それでもうまく映らない場合は、後述する「5. トラブルシュー
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ティング」を読んでみてください。
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うまく拡張モードに移行したらしめたものです。30行対応アプリ
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ケーションがあれば、その瞬間から30行(n行)で使うことができ
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ます。
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3.2. 標準モード←→拡張モード
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-pオプションを指定して常駐させておくと、[CTRL]+[f・10]で
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「標準モード←→拡張モード」のトグル移動が可能になります。
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3.3. 行間空きモードへの移行
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[CTRL]+[f・6]で、「行間空きモード←→行間なしモード」のトグル
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操作が可能になります。
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-hオプションを指定することで、行間空きドット数をノーマルの4
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ドットから任意に変更することが可能です。
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A:>30bios -h18 <Ret> ;行間空きドット数を2ドットにする
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(文字高16ドット+行間2ドット)
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3.4. 行数の変更
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-lオプションで、拡張モード時における行数の変更ができます。
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A:>30BIOS -l29 <Ret>
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画面が1行減って、29行になるはずです。
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4. 機能
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30行BIOSの持つ機能を紹介します。各オプションは、「-」をスイ
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ッチャとして記述してありますが、「/」でも問題ありません。
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また、「-vfa2040l32p」のような連続指定が可能です。
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オプションなしで実行した場合、30BIOS.COMと同じディレクトリに
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30BIOS.INIがあれば参照します。
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オプションがあり、かつ30BIOS.INIがあった場合は、オプション指
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定が優先されます。
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30BIOS.INIに関しては、別ファイルの「30B_INI.DOC」をご覧くだ
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さい(30BIOS.INIを利用しなくても、30行BIOSは使えます)。
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4.1. 基本オプション
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4.1.1. 開放(-r)
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常駐開放は-rオプションで行います。開放時に拡張モードであった
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場合、標準モードに復帰させます。
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4.1.2. 最小~最大行数の設定(-a)
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画面の最小行数と最大行数を指定します。30行で使う場合はこのオ
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プションは必要ありませんが、30行以上を表示させるのならば、こ
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のオプションで設定する最大行数を指定する必要があります。
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-aオプションの後には最小・最大行数をスペースで区切らずに指定
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しなければなりません。
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アプリケーションが、不用意に画面行数を変更するとディスプレイ
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を破壊することがあるため、それを防止するためのオプションです。
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デフォルトは-a2430です。
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A:\>30BIOS -a2040 ;最小行数を20行、最大行数を40行とし
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ます。
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(注) -lオプションで指定できるのはこのオプションで指定した範
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囲内の数値です。
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最大行数は50行で、これ以上の数値を指定すると無視されます。
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なお、ノーマルモード用のディスプレイで使用可能な行数は、多く
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ても35行程度でしょうから、50行近くの大きな値を設定しても意味
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がないと思います。-lオプションで、無理な設定をするとディスプ
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レイを破壊(内部のブレーカーを落とす)する危険があります。恐ろ
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しいことに本当に壊れることもあるようです。十分ご注意ください。
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また、このオプションで指定された値は、30行BIOSの常駐ルーチン
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に保存され、30行BIOS対応アプリケーションにより取得されること
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があります。必ず自分のモニタで正常に表示できる範囲で設定する
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ようにしてください。
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マルチスキャンディスプレイの中には、50行表示が可能なものもあ
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ります(KM-151など)。チラツキが激しいため、実用度は低いのです
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が、98MATEの31kHzモードを利用すれば、40行程度での利用は十分
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可能です。
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4.1.3. 表示行数の設定(-l)
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現在の表示行数を変更します。-lオプションの後にスペースを開け
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ずに行数を指定します。-lオプションで指定できる数値は、上に述
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べた-aオプションで設定した範囲の数値でなければなりません。範
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囲外の数値を指定すると無視します。
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なお、-l25で25行にしたときも、拡張モードでの25行ですので、標
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準モードとは内部動作が違います。通常の標準モードに戻す時は、
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必ず -nオプションを使ってください。
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4.1.4. 行間空きドット数の変更(-h)
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行間空きモード時における、1行あたりのドット数(ラスタ数)を指
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定します。
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ラスタ数は「行間空きドット数+1行のドット数(16ドット)」です。
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たとえば、行間空きドット数を2ドットにしたい場合は、-h18と指
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定します。
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なお、標準モードでは、
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(行間空きドット数4ドット)+(文字高16ドット)=(ラスタ数20ドット)
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になっているので、-hオプションで指定する範囲は、16~20程度が
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無難です。
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4.1.5. 画面モードの保存(-u)/読みだし(-o)
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30行BIOSで画面モードを変更するときに、-uオプションをつけると
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現在の画面モードを保存します。すなわち、"現在何行表示なのか、
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VGAモードか否か"、などという30行BIOSにかかわる属性を保存して
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おきます。保存する場所は30行BIOSの常駐部内に確保されているの
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で、特に気にする必要はありません。
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-oオプションをつけて実行させると最後に保存した画面モードを復
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帰させます。保存できる画面モードはスタック状になっており、ス
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タックは全部で8段階です。
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現在25行モードだとします。以下のように-u,-oオプションを使う
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と画面モードを保存していきます。
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A:\>30BIOS -l30 -u ;30行に設定、現在の画面モード(25行)を保存
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A:\>30BIOS -l32 -u ;32行に設定、現在の画面モード(30行)を保存
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A:\>30BIOS -o ;保存した画面モード(30行)に戻す
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A:\>30BIOS -o ;保存した画面モード(25行)に戻す
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単に-uオプションだけを指定して実行した場合は、表示行数を変更
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せずに現在の画面モードをスタックに保存する処理のみを行います。
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4.1.6. CRT module取り込み(-@[CRT])
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CRTモジュールのファイル名を指定し、常駐部に取り込みます。CRT
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モジュールは、別パッケージの30MKMD11.LZH中のMKMODULE.COMで作
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成することができます。
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標準の30行BIOSでは30行表示ができなかった場合、または40行くら
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いまで表示させたい場合、自分のモニタに最適なCRTモジュールを
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組み込むことで対応可能になります。チラツキを押さえたいときに
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も使用されます。
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A:>30BIOS -@MODULE00.COM <Ret>
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MKMODULE.COMは、本バージョンから大幅に強化されました。詳しく
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はMKMODULE.DOCを参照してください。
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ファイル名を省略した場合、30BIOS.COMの内部に組み込まれている
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デフォルトのモジュールに戻します。
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4.1.7. メッセージの色トグル(-$)
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30行BIOSのメッセージ表示は、通常エスケープシーケンスを用いた
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カラーで表示しますが、このオプションを指定するとモノクロ表示
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になります。トグルになっていますので、再度指定するとカラー表
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示に戻ります。
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4.1.8. CTRL+f・10のパッチ(-p)
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[CTRL]+[f・10]を押すことにより、標準モード/拡張モードの移行が
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トグルで行えます。すなわち、-!オプションと同じことをします。
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ただし、トグル機能を有効にするためには、メモリにいるDOSにパ
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ッチを当てなくてはなりません。このオプションを指定するとDOS
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にパッチを当てます。
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30行BIOSが動く(常駐できる)DOSならば、-pオプションはすべて使
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用可能となりました。現在当方で確認しているバージョンは、NEC
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版3.1最終版以降とEPSON版3.3(Rel1.05)以降です。当方の知らない
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マイナー版があるかもしれません。
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4.1.9. コンベンショナルメモリに常駐(-#)
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286マシン等でUMBに割り当てられているメモリが遅い場合(拡張ス
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ロットに挿す汎用メモリボードなど)、UMBに存在するTSRが頻繁に
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制御を奪うものだと、アプリケーションの動作速度が低下すること
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があります。このような場合は、30行BIOSをコンベンショナルメモ
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リ(メインメモリ)に常駐させた方が速度的にメリットがあります。
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Ver1.00から-#オプションを指定することで、UMBの存在可否に関ら
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ず、強制的にコンベンショナルメモリに常駐するようにしました。
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4.2. 最下行の指定オプション
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30行BIOSで最下行の用途を設定するオプションです。通常は最下行
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をファンクションキー表示に使いますが、フリーソフトウェアのCW
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((C)Appne)を使う場合は、CWのためにファンクションキー表示を抑
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制します。
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4.2.1. ファンクション表示(-f)
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画面最下行にファンクションキーを表示します。
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この機能はデフォルトで有効です。
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-cオプションとは同時に使用できません。
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4.2.2. CW行表示(-c)
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||
最下行をCWのために開放します。
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||
-fオプションとは同時に使用できません。
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4.3. 画面モードの指定オプション
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30行BIOSには、いくつかの画面モードがあります。これらはオリジ
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ナルの30行計画から使われているものをそのまま継承したものです。
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初めて拡張モードに移行する際、画面モードの指定をしないと、
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-vオプションが指定したものとみなされます(すなわちデフォルト
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の画面モードはVGAモードということです)。
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4.3.1. 標準モード(-n) 25/20行,400line
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98が本来持つ、ノーマルモードに戻します。拡張モードから、非30
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行計画対応アプリケーションを使うために、一次的に標準モードに
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戻らねばならないときに使います。
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なお、-l25オプションでも25行に戻るので、表面上は-nオプション
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と同じですが、内部処理は拡張モードのままなので、アプリケーシ
|
||
ョンによっては動作不具合が起きることもあります。
|
||
(-v,-sオプションとは同時に使用できません)
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4.3.2. Specialモード(-s) 30/24行,400line
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テキスト表示は拡張モードに移行しますが、グラフィックの位置は
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中央に表示されたままです。そのため、テキストとグラフィックを
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重ね合わせて1つの画面を作っているアプリケーションでは、正常
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に表示できません。このようなアプリケーションを使うときは、次
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に述べる-vオプションを用いてください。またこのモードでは32~
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33行以上表示している時にグラフィックが正常に表示されません。
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この場合も-vオプションを使用して回避してください。
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(-v,nオプションとは同時に指定できません)
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4.3.3. VGAモード(-v) 30/24行,480line
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グラフィック画面をテキスト画面と合わせてます。このときグラフ
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ィック画面の最上位80ドット分が画面最下位に表示されます。グラ
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フィックとテキストを合成しているアプリケーションではこのモー
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||
ドを使うべきでしょう。
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(-n,-sオプションとは同時に指定できません)
|
||
|
||
4.3.4. 画面モードのトグル(-!)
|
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-sオプション、または-vオプションで拡張モードに設定していると
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き、-!オプションで標準モードに瞬時に戻ります。このオプション
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はトグルなので、再度実行すれば拡張モードに復帰します。
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4.4. ヘルプオプション
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無効なオプション、または-?オプションを指定した場合、簡単なヘ
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ルプ画面を表示します。
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このヘルプ表示は、現在設定可能な行数を計算して表示します。
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30行のとき(-l30)
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||
-s Specialモード (30/24行,400line)
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||
-v VGAモード (30/24行,480line)
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||
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||
35行のとき(-l35)
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-s Specialモード (35/28行,400line)
|
||
-v VGAモード (35/28行,560line)
|
||
*括弧内のフォーマットは
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(行間なしの行数/行間ありの行数,グラフィック画面のライン数)
|
||
になっています。
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5. トラブルシューティング
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30行BIOSは、ディスプレイと98本体の能力をスペック以上に引き出
|
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すことで実現されています。当然、通常の使用環境と比べ、トラブ
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ルが発生する可能性が高くなります。ここでは、何かトラブルが起
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きたときに、それが30行BIOSによるものなのか、それともハードウ
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||
ェア(本体、ディスプレイ)の限界なのかを見極めるため、簡単に説
|
||
明します。
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||
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5.1. 拡張モードへ移行したら、画面がぐちゃぐちゃになる。
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垂直同期が合っていないからです。現在の設定ではデフォルトの30
|
||
行環境は残念ながら無理ということです。
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||
・1行ずつ同期が取れるまで行数を減らして(-l29、-l28、…)みて
|
||
ください。
|
||
・ディスプレイのどこかにあるツマミをいろいろいじってみて、調
|
||
整してください。
|
||
・それでもだめな場合、別パッケージのMKMODULE.COMを使い、CRT
|
||
モジュールを作成すればもしかすると使えるかもしれません。
|
||
・MKMODULE.COMを使っても安定した画面が得られない場合は、お使
|
||
いのディスプレイでは30行計画を使用することはできません。
|
||
|
||
5.2. EE/EXTSでは、ちゃんと表示できたのに30行BIOSだと表示できない。
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30行BIOSは、オリジナルの30行計画の上位互換として作成してあり
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ます。このようなことが起こる理由は、GDCに与えるパラメータが
|
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オリジナルの30行計画とは若干違うからです。30行BIOSがデフォル
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||
トで送るGDCのパラメータは、三菱製のXC-1498CIIに合わせてあり
|
||
ます。
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||
同梱の30BIOS.INIの最後にEXTSが使用しているGDCパラメータを記述
|
||
しておきました。コメントアウトを削除すればEXTS互換になるはず
|
||
です。
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||
|
||
5.2. 画面のチラつきが気になる。
|
||
行数を増やしている状態では、白い画面でチラつき(フリッカー)が
|
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目立ちます。30行計画では垂直同期周波数が標準より下がるため、
|
||
短残光型のディスプレイではより目立ちます。これはディスプレイ
|
||
の機構上、どうしようもありません。対策としては、
|
||
・ディスプレイを暗くする。
|
||
・MKMODULE.COMでよりチラつきの少ないCRTモジュールを作成する。
|
||
この2つしかないと思います。
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||
98MATEを使っている場合は、31kHzのハイリフレッシュレートで起
|
||
動することにより、フリッカーの少ない画面にすることができます。
|
||
また、マルチスキャンディスプレイを使えば表示可能行数が増える
|
||
ことでしょう。
|
||
|
||
5.3. KEYSPが遅くなった。
|
||
KEYSPはVSYNC割り込みを使って、キーバッファにキーコードを送り
|
||
込むことで高速なリピートを実現しています。VSYNC割り込みが発
|
||
生する間隔が大きくなると、KEYSPのリピート速度も遅くなります。
|
||
VSYNC割り込みは画面書換の際に発行されるハードウェア割り込み
|
||
ですので、30行計画で画面を480LINEにすると、位置画面を描くた
|
||
めにかかる時間は大きくなります。25行表示だとVSYNC割り込みの
|
||
発生間隔は56回/secですが、30行表示だと40台まで落ち込みます。
|
||
これも機構上、仕方のない部分です。
|
||
|
||
6. 30行計画対応アプリケーション
|
||
30行計画関連のプログラムを使えば、すべてのアプリケーションが
|
||
30行になるというわけではありません。アプリケーション側が30行
|
||
計画を考慮して作成されている必要があります。
|
||
30行BIOSは、オリジナルの30行計画の上位コンパチブルになってい
|
||
ますので、"30行計画対応"アプリケーションならば、どれも問題な
|
||
く動作するはずです。
|
||
市販ソフトの中にもプログラマの方々の好意や趣味によって30行計
|
||
画に対応しているものもあります。
|
||
|
||
30行BIOSは、"30行を実現しようとしているアプリケーションの手
|
||
助けをする"ものとして開発されています。このため、30行BIOSの
|
||
APIをサポートしているアプリケーションならば、さらに高度な30
|
||
行以上(n行)のテキスト環境が実現できるのです。
|
||
|
||
このように"30行計画対応アプリケーション"は、
|
||
|
||
1.オリジナルの30行計画に対応したもの
|
||
2.上記に加えて30行BIOSに対応したもの
|
||
|
||
の2つに分けることができます。
|
||
|
||
1.の30行計画に対応したアプリケーションは、かなりの数になると
|
||
思われますが、作者もすべての対応アプリケーションを把握してい
|
||
るわけではありません。知っているアプリケーションを以下に記し
|
||
ておきます。
|
||
|
||
・CCT-98III
|
||
(株)技術評論社の「CCT-98III」は、販売店で売られているバージ
|
||
ョン(3.16)では30行計画対応にはなっていません。しかし、作者
|
||
(cancer氏)の手により細かなバージョンアップが続けられ、現在
|
||
Ver3.32になっています。Ver3.30以降のCCT-98は、30行BIOSのAPI
|
||
を利用しているため、安定した30行環境を構築できます。その他の
|
||
30行計画プログラムでは拡張モード画面で使うことはできません。
|
||
|
||
・VZ-Editor
|
||
(株)ビレッジセンターの「VZ-Editor」は、Ver1.57から30行計画に
|
||
対応しています。この状態では最大で31行までしか使えません。31
|
||
行を超えて使用する場合、単純に行数だけを増やせばよい、という
|
||
わけにもいかないような構造になっています。これはパッチを当て
|
||
て対応可能です(別パッケージのVZ30BIOS.LZH)。これにより31行を
|
||
超える拡張モードでの使用が可能になります。
|
||
Ver1.60より、VZ-Editorが30行BIOS対応になったため、安定した30
|
||
行環境を楽しむことができます。行間空きドット数の変更など、30
|
||
行BIOSの機能をフルに使っているため、PC-9801のMS-DOSでは最高
|
||
のテキスト環境が実現されているといえるでしょう。
|
||
なお、VZ-Editorは内部で30行BIOSのAPIを呼び出しているため、そ
|
||
の他の30行計画のプログラムでは安定した動作はできないでしょう。
|
||
|
||
・VC-Term Ver1.00
|
||
(株)ビレッジセンターの常駐型通信ソフトです。30行BIOSのAPIを
|
||
利用しています。なお、VC-Termにも30行BIOSが同梱されています
|
||
が、どちらのバージョンでも問題なく動作します。
|
||
VC-TermとVzは、連携して使えるようになっています。両プログラ
|
||
ムが30行BIOSに対応したことで、拡張モードで安定した通信環境が
|
||
実現できます。
|
||
|
||
・Graphics File Utility Ver1.20 / VIEW Ver1.00
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(株)オーツーの発売するファイル管理ツールです。30行BIOS APIに
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依存しており、その他の30行計画プログラムでは、拡張モードの動
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作はできません。そのかわり「30行であることを意識させない」も
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のとなっています。ただし、30行モードが有効になるのはテキスト
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モードのみです。テキストモードで起動するためにはGFにオプショ
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ン/Tをつけます。
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GFは、30行BIOSのAPIを利用して動的に画面モード切り替えを行っ
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ています。詳しくは「テキストモード版GF差分」に含まれるドキュ
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メントを参照してください。
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さらに同社の発売するページャー「VIEW Ver1.10」もテキストモー
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ドを装備し、30行BIOS対応になっています。テキストモード対応版
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への差分は、上記ベンダ会議にて配布されています。
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「NiftyServe FGALPV 会議室2」「日経MIX o2会議」でオーツーの
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よるベンダ会議が開催されています。
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・MIFES Ver5.1
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(株)メガソフトのエディターです。「ざべ(92/10)」誌上で、中尾
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昭彦氏によるパッチが発表されています。ただしこのパッチは、行
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間なし30行のみしか使用できません。パッチを当てた場所の近くに、
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行間空き20行モード用のエリアを見つけましたので、そこに24行用
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のパッチをあてることにより、MIFES内部のメニューから行間空き
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モードに移行することができるようです。ただし任意の行数で使え
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る、というわけにはいきません。このパッチを当てると標準モード
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での使用はできなくなります。
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・WXII+
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(株)エーアイソフトの日本語フロントエンドプロセッサ「WXII」は、
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Ver2.53以降で30行BIOSの機能をフルに使うことができます。行間
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空きモードでもゴミが出ることなく利用できます。
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画面にゴミが出る場合は、WX2??.SYSのオプション/UGを適宜変更し
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てみてください。/UG1EA0を付けるとゴミが出にくいようです。
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・VJE-β
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(株)バックスの日本語フロントエンドプロセッサ「VJE-β」には、
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Ver2.5以前のパッチが公開されています。これは高崎氏のVJEP.COM
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というものです。
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Ver3.0以降では初期の頃のロットを除き、n行に自動対応していま
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す。しかし行間空きモードでは使えないようです。
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・ATOK6/7/8
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ジャストシステムの日本語フロントエンドプロセッサです。
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「ざべ(93/01)」上で、市田俊彦氏により発表されています。ただ
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し、ATOKにはマイナーリビジョンが多数存在するようで、すべての
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ATOKにパッチがあたるわけではないようです。
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現在では、市田氏によりさらに改良が進み、まとまれられたパッケ
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ージがBBS上で配布されています(AT30_23.LZH)。
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同様なATOKのパッチプログラムとしては、坂城氏が作られたTSR版
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「APV102.LZH」があります。
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・松茸
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(株)管理工学研究所の日本語フロントエンドプロセッサです。
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当初は未対応でしたが、松茸用のパッチを作成しました。これは、
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別パッケージで配布されています。MTKPATCH.LZHとして大手BBSに
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登録されています。
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・VJE-Pen Ver3.0/3.1
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(株)バックスのワードプロセッサです。30行計画に対応しているの
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で、拡張モードで使用できます。非公開オプションですが、-30を
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つけることで各行数に自動対応します。
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・直子の代筆など
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テグレット開発の製品も「雅美の献立」上で動作するものなら30行
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計画で使えるようです。雅美の献立のシステムファイルである
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WWCUTS.SYSの中の「|E1419;使用画面行数」となっている部分を書
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き換えます。数字は16進数なので注意してください。
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・フリーソフトウェア
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さすがに把握しきれていません。30行のみ使えるもの、またはn行
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で使えるもの、行間空きモードでも使えるものなど、たくさんある
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ようです。
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1993年春のVer0.20発表以来、多くのフリーソフトウェアが30行BIOS
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に続々対応しています。今後もどんどん増えてくるでしょう。
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* 当方で確認した、30行BIOSで利用可能なFSW
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・FD Ver2.41(A.Idei氏作)
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・FD Ver2.32+(A.Idei氏作,Argon氏の改変による)
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・SuperView踊り子(Uka氏作)
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・xscript-light(Oka氏原作,高崎氏の改変による)
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・KI-Shell Ver1.72P(K.Ishino,T.Hotta,yuuji,Mr.No氏ら作)
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その他、多くのフリーソフトウェアが対応しています。
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8. 謝辞
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30行BIOSの開発にあたって、多くの助言とバグレポをくれた、
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Artslink la FEMY, rossi's factory BBS, ZOB Station BBS,
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ASCII-net(junk.test, pool.salon),日経MIX(try会議)の皆さんに
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感謝します。
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また30行計画を広めてくれた、Hironon氏、Shinchan氏を始め、多
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くの方々に感謝します。
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9. 著作権等
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以下のことを踏まえた上での本パッケージの転載は自由です。作者
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に許諾をとる必要もありません。
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・本プログラムはFSW(フリーソフトウェア)です。
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・本プログラムの著作権は、luciferが有します。
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・本ドキュメントの著作権は、walkerが有します。
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・本プログラムを営利目的に使うことを禁じます。
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・ダウンロードに際して特別の料金を徴収するネットや、ネットの
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運営維持以外の目的で料金を徴収するネットへの転載は著作権者
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の了解が必要です。
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・ライブラリにPDSの名称を使用するネットや、事実上の扱いをパ
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ブリックドメインで行なうネットへの転載は禁止します。
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・本プログラムを改良するのは自由ですが、改良したものは個人の
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使用に留めてください。すなわち、改変したものの配布を禁じま
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す。
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・パソケ、コミケ等での無断販売・無断配布(有料/無料問わず)を
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禁じます。
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・市販品を含む、すべてのソフトウェアへのバンドルも承っており
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ます(要連絡)。
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・本ドキュメントで出てきた各アプリケーションは、各社の登録商
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標または商標です。
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10. 連絡先
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なお、ご質問・ご要望がある場合は、下記まで。
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日経MIX lucifer, walker
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NiftyServe GEH01147(walker)
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ASCII-NET net30507(lucifer), net22764(walker)
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30bios.com (C)lucifer
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30bios.doc (C)walker
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[END OF "30BIOS.DOC"]
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