# 第9章 各機種板について ## 9.1 マルチ機種対応  VZのマスターディスクには、以下の各機種版の「VZ???.COM」が入っており、インストール時に動作マシンを判定し、対応するコマンドをコピーします。 **【98フォーマット・ディスク】**
    ・PC-9801版     VZ.COM
    ・J-3100 版     ¥J31¥VZJ31.COM
**【IBMフォーマット・ディスク】**
    ・DOS/V版     VZIBM.COM, VZIBMJ.COM
    ・AX版       ¥AX¥VZAX.COM
    ・PS/55版     ¥PS55¥VZ55.COM
    ・英語モード専用版 ¥US¥VZUS.COM
 この章では、PC-9801版とDOS/V版について、それぞれの特長的な機能を説明します。それ以外の機種については、各機種版のオンライン・ドキュメントをご覧ください。 ## 9.2 PC-9801版  PC-9801版には、次のような特長があります。 - スムーススクロール機能 - バックスラッシュの表示機能 - 新JIS罫線文字の表示機能 - [**CTRL**]+テンキーによる全角記号入力機能 - 26行以上のテキスト画面に対応 ### ■ スムーススクロール機能  ドット単位でテキスト画面をなめらかにスクロールする機能です。ハイレゾモードではドット単位のスクロールはできません。 ### ■ バックスラッシュの表示機能  半角の「¥」を「\」で表示します。VZ動作中のDOSの出力も「\」で表示します。オプション***Db***で設定します。 Db- ¥文字の表示 ### ■ 新JIS罫線文字の表示機能  NECのPC-98シリーズは、漢字コードがJIS78(旧JIS)であるため、新JISの罫線文字が表示できません。オプション***Dg***を「***+***」にすると、新JIS罫線文字を98罫線文字に変換して表示します。 Dg+ 新JIS罫線の表示  EPSONの98互換機は新JISフォントを表示できますので、このオプションは必要ありません。 ### ■ [**CTRL**]+[テンキー]による全角記号入力機能  [**CTRL**]+[テンキー]または[**GRPH**]+[テンキー]で、全角文字を入力できます。「4.8 その他のコマンド」をご覧ください。 ### ■ 26行以上のテキスト画面に対応  本製品にも含まれる「30BIOS.COM」などを使った、26行以上のテキスト画面に対応しています。「30BIOS.COM」の場合は、最大の行数を自動的に取得しますので、特に設定は必要ありません。その他のソフトをお使いの場合は、オプション***LC***で最大行数を指定してください。この場合、「行間空きモード」で起動することはできません。  次に、98版に関する主な特記事項をあげます。 ### ■ 行間空きモード  オプション***LC***の意味が代わりました。編集時の行数ではなく、「行間空けモード」 を指定します。 LC- 編集時の行間空きモードの指定 - DOSの画面モードのまま + 編集画面で行間空けモードを切り替える 20 編集画面で行間空けモードにする 25 編集画面で行間詰めモードにする ### ■ [**CTRL**]+[f・n]キー  編集モードでは、DOSの[**CTRL**]+[**f・n**]キーの機能をマスクしています。オプション***FK***を「***+***」にすれば、[**CTRL**]+[**f・n**]キー、および[**vf・1**]~[**vf・5**]のキーをVZで利用できます。 ### ■ 裏グラフィックVRAMの利用  Ver1.6では、裏グラフィックVRAMをワークに利用するオプション***GV***は、廃止しました。
 NEC版「EMM386.SYS」には、ノーマルモード時に、グラフィックVRAMの「B0000h」にEMSのページフレームを割り当てる機能があります。従来版ではこれに対応していましたが、Ver1.6は対応しません。 ### ■ FEPの自動制御  ATOK6/7/8,VJEβ、松茸、WXII、MS漢字API対応のFEPを自動制御できます。 ## 9.3 DOS/V版  DOS/V版には、次のような特長があります。 - 日本語、英語両モード対応 - V-Text対応 - シャドウ付きポップアップ・ウインドウ - 日本語モード時のカーソルのブリンク、全角表示機能 - アナログパレット機能 - [**Ctrl**]、[**Alt**]のキーコンビネーションの拡張 ### ■ 日本語、英語両モード対応  DOS/V版VZは、日本語、英語、両モードで動作します。常駐したままでの「CHEV」コマンドによるモードの切り替えも可能です。ただし。「VZIBMJ.COM」は、メッセージが日本語になっていますので、英語モードではメッセージが読めません。両モードで使う場合は、「VZIBM.COM」をお使いください。 ### ■ V-Text対応  V-Textに対応しています。
 ・横文字数は80~255、縦行数は25~50。
 ・縦行数が50を越える場合は、オプション***LC***に最大行数を設定してください。
 編集モードでV-Textモードにしたい場合は、オプション***VM***にV-Textのビデオモードを設定してください。***VM0***の場合は、画面モードは切り替えません。 VM$70 編集時のスクリーンモード ### ■ シャドウ付きポップアップ・ウインドウ  ポップアップ・ウインドウを立体的に美しく見せるために、影をつけました。 ### ■ 日本語モード時のカーソルのブリンク、全角表示機能  DOS/Vにはカーソルのこれらの表示機能はありませんので、VZ側で対応しました。全角表示は、文字カラーの反転で実現しているため、ブロックカーソル以外は対応できません。 ### ■ アナログパレット機能  テキストカラー16色を、64色のアナログパレットから選べます。標準設定では、バックグラウンドを暗い青に、FEPのガイドラインで使われる茶色を黄色に設定しています。パレットの初期値は、DEFファイルに記述してあります。 * E その他 12 "$(00,08,02,0B,04,05,06,07,38,09,3A,3B,3C,3D,3E,3F)" この部分をコメントとすれば、パレットは変更されません。
 「PALET.DEF」を使うと、画面上でパレットを変更できます。[**Shift**]+[**F11**]の「外部マクロメニュー」で呼び出してください。
 DEFファイルの上記の箇所にカーソルを置いた状態でマクロを実行し、[**Ins**]を押すと、パレットの設定をテキストに挿入します。 ### ■ Ctrl]、[**Alt**]のキーコンビネーションの拡張  DOS/V版では、次の4つを除く全ての[**Ctrl**]+[**特殊キー**]、[**Alt**]+[**特殊キー**]の入力が可能です。     [**Ctrl**]+[**Esc**]  [**Alt**]+[**¥**]  [**Alt**]+[**^**]  [**Alt**]+[**_**]
これを利用して、カット&ペースコマンドを次のキーで操作できます。 |キー|機能| |---|---| |[**Alt**]+[**Del**]|行・ブロック削除| |[**Alt**]+[**Ins**]|行・ブロック挿入| |[**Shift**]+[**Alt**]+[**Del**]|行・ブロック記憶| |[**Shift**]+[**Alt**]+[**Ins**]|行・ブロック複写|  次のキーは、印字されたキーとは異なるキーで入力します。     [**Ctrl**]+[@] → [**Ctrl**]+[**2**]
    [**Ctrl**]+[^] → [**Ctrl**]+[**6**]
    [**Ctrl**]+[_] → [**Ctrl**]+[-]
 次に、DOS/V版に関する主な特記事項をあげます。 ### ■ スクロール時の画面上下のぶれ  DOS/Vの標準「$DISP.SYS」では、スクロールの際にハードウェアスクロール(画面の表示アドレスを変える)を行なうため、スクロールしない画面の上下がぶれてしまいます。この時、オプション***Dg+***を設定すると、多少ぶれが軽減される場合があります。この機能は、横80文字のハードスクロール(上方向)時のみ有効です。 Dg+ 最上行の"ぶれ"の軽減  市販のWindowsアクセラレータ対応のディスプレイドライバを使用すれば、この現象は起きません。 ### ■ 画面の行数  日本語モードでは、画面最下行を常にFEPガイド行としてリザーブしているため、編集画面は98版より1行少なくなっています。オプション***LC***を「***0***」とすると、最下行にファンクションキーを表示し、編集画面が1行増えます。ただしこの時FEPをオンすると、FEPのガイドラインがファンクションキーと重なって表示されます。通常は***LC+***のままでお使い下さい。 LC+ ;日本語モード時の最下行の予約 ### ■ 画面の行数  「ANSI.SYS」は、必ず組み込んでください。さもないと、非常駐モードでVZから子プロセスを実行した時、DOSの文字が黄色になってしまいます。 ### ■ FEPの自動制御  $IAS、およびMS漢字API対応のFEPを自動制御できます。