============================================================================== VZ Editor Version 1.60 Copyright (C) 1989-93 by c.mos VZ16.DOC ==============================================================================  このドキュメントでは、Ver1.6の機能の強化、変更点について、マニュアルの補足説明をします。マクロの関連事項、オプションのリファレンスは、MAC16.DOCをご覧ください。    目 次 ----------------------------------------- 1.DEFファイル関連 2.メモリ管理 3.ファイルの操作 4.スクリーンエディット 5.ファイラー 6.DOSコマンドライン 7.カスタマイズ 8.その他の改良事項 ----------------------------------------- ----------------------------------------- 1.DEFファイル関連 ----------------------------------------- ・ブロックIF文 ・98版とIBMの両用キー定義 ・インクルードDEFファイルが存在しない場合 ・「vz -w」の廃止 ■ ブロックIF文 -----------------------------  複数の機種で共通のDEFファイルを使えるように、機種毎のIDをチェックするブロックIF文が使えます。「7.3 ブロックIF文」をお読みください。  また、「#if 0」のように未定義のID文字列を指定すれば、その間にコメントを記述することもできます。 ■ 98版とIBMの両用キー定義 -----------------------------  次の4つのキーは、98版とIBM系機種版で共通に使えます。 98版: [RLUP] [RLDN] [CLR] [HELP] IBM版: [PGDN] [PGUP] [HOME] [END] ■ インクルードDEFファイルが存在しない場合 -----------------------------  VZ.DEFの「* E その他 1」で指定したDEFファイル、またはコマンドラインで「+file」で指定したDEFファイルが見つからなかった場合に、 "..."が見つかりません.(CTRL-Cで中止) と聞いてきます。そのまま起動したい場合は、任意のキーを押してください。 ただし、「/file」で指定した最初に読み込むべきDEFファイルを無視すると、小さな窓を表示していっさいのキーを受け付けなくなりますので、ご注意ください。 ■ 「vz -w」の廃止 -----------------------------  セグメント配置の変更により、カスタマイズ後のデータを64KBのCOMモデルにセーブすることができません。このため、「-w」オプションは廃止しました。「w,ww」は、汎用変数として使えます。 ----------------------------------------- 2.メモリ管理 ----------------------------------------- ・CSとDSの分離 ・オプション「Bq」の廃止。 ・テンポラリ管理 ・EMS/XMSの解放 ■ CSとDSの分離 -----------------------------  動作時のコードセグメントとデータセグメントを分離し、各種ワークエリアが合計64KBまで確保可能になりました。  ただし、次のワークエリアは、コードセグメント内に存在します。 bseg 「-SW3」常駐時のコードエリア hseg 機種依存部(scrn??.asm,key??.asm)内のローカルワーク ■ オプション「Bq」の廃止。 -----------------------------  テンポラリファイルをメインメモリまたはEMS,XMS上に確保するオプション「Bq」は廃止しました。テンポラリファイルおよびスワップファイルは、まずXMSがある限り使用し、次にEMSを使用します。テンポラリファイルをメインメモリに確保することはできません。 ■ テンポラリ管理 -----------------------------  EMS、XMS、テンポラリファイルを、合計16MBまで管理できます。詳しくは、「3.2 マルチファイル」をお読みください。 ★注意★  16MBというのはあくまで管理の上限です。テンポラリファイルを管理する場合は、別個に管理用のワークエリアが必要です。この個数に限りがあるため、特にテキストバッファのブロックが小さい場合(EMS上にある場合)には、16MB全てを使えない場合があります。 ■ EMS/XMSの解放 -----------------------------  DOSコマンドを実行する際に、未使用のEMS/XMSメモリを解放します。これによって、VZに全てのEMS/XMSメモリを割り当ておいても、メモリを有効に使えます。 ★注意★  EMM386.EXE以外のメモリマネージャには、XMSの再アロケーションが正常に動作しないものがあります。「-XM」指定でなんらかの不具合を生じた場合は、「-XM0」でEMSのみ利用してください。  さらにMelwareでは、EMSを利用して常駐後、別のソフトがEMSを取得すると、EMSの再アロケーションが正常に動作しないようです。この場合は、「-RM1」でEMSの再アロケーションを禁止してください。 ----------------------------------------- 3.ファイルの操作 ----------------------------------------- ◎ビューモードの強化 ◎ログファイルの管理 ◎プロファイル機能の強化 ・カレントディレクトリの保存 ・改行コードが0Ahのみのテキスト ・64KBを越えるテキストのパス名変更 ・サイズ0のファイルへのアペンド ・「file -$」でファイルの最後へジャンプ  ◎の機能については、マニュアルのそれぞれの説明をお読みください。 ■ カレントディレクトリの保存 -----------------------------  VZDEFディレクトリにセーブするeditfileに、編集時のカレントディレクトリを出力します。 -MP1 -QT5 >a:\vz\159g vz159g.doc ->8FF -+0 -KY20  これにより、「vz @@」、あるいは「vz @」でカレントディレクトリにeditfileが存在しない場合は、VZDEFのeditfileを参照し、編集時のディレクトリへ自動的に chdir 後、ファイルを開くことができます。 ■ 改行コードが0Ahのみのテキスト -----------------------------  改行コードが0Ahのみの64KB以上のテキストを読み込むと、32KBの境界付近の行末の1文字が欠ける不具合がありましたが、これを修正しました。 ■ 64KBを越えるファイルのパス名変更 -----------------------------  64KB以上のファイルで、ファイルの先頭部以外を表示している時にも、パス名を変更することができます。 ■ サイズ0のファイルへのアペンド -----------------------------  従来、サイズ0のファイルへアペンドしようとすると、「ディスクが一杯です」というエラーが表示されてアペンドできませんでしたが、これを修正しました。 ■ 「file -$」でファイルの最後へジャンプ -----------------------------  従来版で「file -$」とすると、ファイルの最後にジャンプしました。ただしこれは仕様外のもので、ファイルのサイズが大きいと正常に動作しません。これを正式に対応しました。 ----------------------------------------- 4.スクリーンエディット ----------------------------------------- ◎タイトルサーチの強化 ◎検索ウインドウでの検索オプション設定機能 ◎検索オプション指定文字 ◎ステータスラインのシステム情報を充実 ・桁対応上書きモード ・文字列窓のキャンセル ・^Lが効かない場合 ・矩形ブロック処理の強化 ・異常なテンポラリエラー ■ 桁対応上書きモード -----------------------------  桁対応上書きモードに対応しました。ただし、98の2バイト半角文字には対応していません。  桁対応上書きモードのマクロとの関連については、MAC16.DOCをお読みください。 ■ 文字列窓のキャンセル -----------------------------  文字列窓で[ESC]でキャンセルした時、従来は[P]モードに戻ってしまいましたが、モードは変更しないようにしました。 ■ ^Lが効かない場合 -----------------------------  テキストのオフセットが8000hの境界をまたぐブロックが、[CTRL]+[L]で文字列取得できませんでした。 ■ 矩形ブロック処理の強化 -----------------------------  矩形ブロックモードのチェックを「mb&4」で行なうように変更し、矩形ブロック記憶後に他のブロック操作を行なっても、矩形ブロックは保存されるようになりました。 ■ 異常なテンポラリエラー -----------------------------  テキストを1文字ずつ増やしていくと、サイズが「0FFFFh」に達した時点で「テンポラリファイルエラー」が発生する場合がありました。 ----------------------------------------- 5.ファイラー ----------------------------------------- ◎ファイル属性によるカラー表示 ◎Maskメニューの拡張 ◎Delete/Rename/Attributeの内部コマンド ◎ファイラー上で新規ファイルの作成 ◎ZCOPYとの連携 ・ファイラー動作指定オプション「FM」 ・コマンドメニューオプションの強化 ・オプション「FW」の指定範囲拡大 ・DOSコマンド窓 ・2つの窓からオープン ・RetCD/ToCDの動作 ・INS/DELでAll/Cancel ・pwを破壊 ・^@,[GRPH]+@ キーが入らない。 ・標準VZ.DEFでROLL UP/ROLL DOWN ・Sort指定時「..\」は常に先頭に ・int28h ■ ファイラー動作指定オプション「FM」 -----------------------------  オプション「FM」の各bitで、ファイラーの各種動作を指定できます。 FM 7 ファイラーの動作モード指定 +1 :[Space]キーでカーソルを移動 +2 :ファイル非選択時にもExecメニューを表示 +4 :『DOSコマンド』ウィンドウから実行 +8 :ディレクトリの先頭・最後を連続移動 +16 :カーソル位置反転、マーク「*」 +32 :ファイル選択時も拡張子自動実行 ■ コマンドメニューオプションの強化 -----------------------------  メニューに指定できる「%文字」のオプションを、次のように拡張しました。 %1 :ソースディレクトリで選択した各ファイル名。カレントディレクト  リ以外の場合は、ディレクトリを頭に付ける。 %2 :ターゲットディレクトリのディレクトリ名。ファイルが選択されて  いる場合には、そのファイル名を付ける %* :ソースディレクトリで選択した全てのファイル名の並び。 %! :『DOSコマンド:』ウィンドウを表示せず、ただちに実行する。 %^ :DOSコマンド終了後、ただちにファイラーへ戻ります。 %@[n][file]:選択したファイル名を、レスポンスファイル「file」に出力。  [file]が省略された場合は、TMPディレクトリの「FILES.$$$」に  出力する。[n]指定時、選択したファイルがn個以下の場合は、  「%*」と同様にファイル名を並べる。 %: :ソースディレクトリのディレクトリ名。 %G :入力窓で文字列を取得。「%2」の後に指定された場合、2ウィンド  ウ表示時はスキップ。 %F :入力窓で文字列を取得。「%2」の後に指定された場合、ターゲット  ファイル選択時はスキップ。 %\ :「\」 を補完。直前がスペースの場合はスキップ。 %[opt] :ディレクトリを選択している場合に、optを挿入。 ■ オプション「FW」の指定範囲拡大 -----------------------------  ディレクトリバッファと画面待避用ワークを、最大64KBまで確保可能としました。「FW2000」のように、大きな数も設定できます。 ■ DOSコマンド窓 -----------------------------  FM+4指定時は、DOSコマンドをウインドウ上で表示・実行します。ただしこの時は、エイリアスの展開、エイリアスメニュー等のコマンドラインの機能は使用できません。 ■ 2つの窓からオープン -----------------------------  2つのディレクトリから同時にファイルをオープンできます。 ■ RetCD/ToCDの動作 -----------------------------  RetCD/ToCDをトグル動作にし、2つのディレクトリを交互に参照できるようにしました。 ■ INS/DELでAll/Cancel -----------------------------  [INS]、[DEL]キーで All、All Cancel機能が使えます。 ■ pwを破壊 -----------------------------  ファイラーでパス・ファイル名を入力すると、ヒストリーバッファ「pw」が破壊されました。ファイラーでは「pr」を使うように変更しました。 ■ [Ctrl]+[@],[GRPH]+@ キー -----------------------------  ファイラー上で[Ctrl]+[@],[GRPH]+@ キーが使えませんでした。 ■ ROLL UP/ROLL DOWN -----------------------------  98版標準VZ.DEFで、[RLUP]/[RLDN]キーによるページングを可能にしました。 ■ Sort指定時「..\」は常に先頭に -----------------------------  Sortのモードによらず、「..\」を常に先頭に表示します。 ■ int28h -----------------------------  ファイラーのキー入力待ちで int28h をコールするようにしました。これにより、ファイラー上からでもVC-Termを起動できます。 ----------------------------------------- 6.DOSコマンドライン ----------------------------------------- ・スワップモード「SW4」 ・常駐時にconsole上で #U ・MS-DOS6.xの対応 ■ スワップモード「SW4」 -----------------------------  従来、「SW3」で常駐した時、SYMDEB.EXEを起動すると、SYMDEBの管理メモリの 先頭部に、VZ.COMをロードしてしまいました。  オプション「SW4」を指定すると、アプリケーション上のコマンドラインのフックを 抑止しますので、この不具合を解消できます。 ■ 常駐時にconsole上で #U -----------------------------  常駐時に、コマンド実行後consoleファイル上で #U を実行しても、実行したコマンドの先頭位置へジャンプしませんでした。 ■ MS-DOS6.xの対応 -----------------------------  MS-DOS6.xで「SW3」常駐時に、外部コマンドを実行するバッチファイルを実行すると、メモリアロケーションエラーとなりました。  また、「EPSON DOS5 Rel.2」でも同様の現象が発生しました。 ----------------------------------------- 7.カスタマイズ -----------------------------------------   ◎ファイル名属性オプション「Ay」 ◎右マージンの表示オプション「Dr」 ◎全角スペースの表示オプション「Dj」 ◎スムーススクロール時のカラー化オプション「Dv」 ・コントロール文字の色分けオプション「Ae,CA」 ・編集テキストの表示スイッチ「td」 ・編集テキスト毎のステータスライン属性「vs,vy」 ・オプション「WL」の拡張 ・メニューメッセージの先頭の「$」を有効に ■ コントロール文字の色分けオプション「Ae,CA」 -----------------------------  編集テキストのコントロール文字を、2色で色分けできます。2色目の属性を「Ae」で指定し、「Ac」、「Ae」どちらの属性を使うかを、「CA」の各ビットで指定します。   CA 52 コントロール文字の色分け +1 :コントロール文字の「^」 +2 :改行コード「↓」 +4 :TABコード「→」 +8 :EOFコード「←」 +16 :右マージン「<」 +32 :全角スペース「□」 +64 :不正なコードの先頭数値 ■ 編集テキストの表示スイッチ「td」 -----------------------------  MAC16.DOCの!Openイベントマクロで説明しています。!Openイベントの中で「td」を設定することにより、指定の拡張子のファイルについて、「D?」の設定に関らず表示行番号モードにしたり、改行を表示したりすることができます。   td 編集テキストの表示スイッチ +1 :表示行モード +2 :CR 文字を表示 +4 :TAB文字を表示 +8 :EOF文字を表示 +16 :右マージンを表示 +32 :全角スペースを表示 +64 :行番号を表示 ■ 編集テキスト毎のステータスライン属性「vs,vy」 -----------------------------  「td」と同様に、!Openイベントで設定することにより、指定の拡張子のファイルに、通常とは異なるステータスラインの色を付けることができます。 vs 編集テキストのステータスラインの属性 vy 編集テキストのファイル名の属性 ■ オプション「WL」の拡張 -----------------------------  画面の右よせ、下よせを指定可能にしました。 WL 0 ポップアップウィンドウの表示位置を設定します。 1 :←よせ 4 :Hセンタリング 5 :→よせ +2 :↑よせ +8 :Vセンタリング +10 :↓よせ ■ メニューメッセージの先頭の「$」を有効に -----------------------------  メニューメッセージの先頭に「$」がある場合は、特殊文字として処理します。 ----------------------------------------- 8.その他の改良事項 ----------------------------------------- ・ATOK7/8自動制御対応 ・NECAIのハングアップ ■ ATOK7/8自動制御対応 -----------------------------  98版でATOK7/8の起動制御に対応しました。 ■ NECAIのハングアップ -----------------------------  日本語FEPのNECAI使用時、変換中にハングアップする場合がありました。これは、NECAIが変換処理中にコンソールにエスケープ文字を出力するためです。VZが編集中にコンソール出力を受け取ると、EMSのマッピングが壊れ、誤動作していました。  これに対応した結果、常駐時にコマンドラインで ^C を連続して押下すると、consoleの一部が消える場合がありますが、これは仕様です。 ============================================================================== End of VZ16.DOC ==============================================================================